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競馬ファンの嘆き―約40年歴史のマカオ競馬の幕引き

マカオ競馬終了

マカオ政府は、今年の4月1日にマカオジョッキークラブとの経営契約を予定よりも前倒しで解除し、同日よりマカオ競馬を終了することを発表しました。元々の競馬経営契約は2042年まで有効でした。

歴史のあるマカオ競馬の廃止は、競馬ファンにとって大きな悲しみとなりました。マカオ競馬は際的な競馬として知られ、日本人騎手も活躍していました。知名度はイギリス競馬などほでではないですが、マカオ競馬は日本人にとって海外で競馬を観戦する貴重な機会となっています。

今回の記事では、

ポイント

マカオ競馬廃止の概要

マカオ競馬の歴史

マカオ競馬の未来

について解説していきます。

マカオ競馬廃止の概要

実は、海外からの馬輸送が停止や、開催日が大幅に減少などの兆しがあり、去年からマカオ競馬は廃止になるかという推測がありました。マカオ競馬廃止の理由は、経営の悪化です。地元住民やインバウンド旅客にとって競馬の魅力が薄れているようです。

マカオ政府の新聞局と香港放送局が1月15日(月)に報じたところによると、経済財政司の李偉農司長がマカオ政府を代表してマカオジョッキークラブと契約解除の協定に署名し、今年の4月1日から同社の競馬専門経営許可契約の解除を行いました。

マカオ政府は2018年にマカオジョッキークラブと契約を結び、競馬専門経営許可契約の期限を24年と6ヶ月延長しました。これは2018年3月1日から2042年8月31日までの期間で、条件としては昨年末までに15億マカオパタカ(約274億円)を再投資し、持続可能な発展を確保することでした。

しかし、マカオジョッキークラブは昨年、マカオ政府に競馬専門経営許可契約の解除を申し出ました。理由は会社の経営難が続き、競馬が社会のニーズに合わなくなっていることです。

マカオジョッキークラブは、1989年にオーナーが変わり、平地競馬を主催するクラブへと発展しました。マカオにおける最大の私営機関の一つであり、約800名のフルタイム従業員(そのうちの約400名が馬舎のスタッフ)と、300名以上のパートタイム従業員を雇用しています。このように大きな組織であり、地域の経済にも大きな影響を与えていることがわかります。

マカオジョッキークラブは15日に記者会見を開催し、1991年の運営開始以来、累積損失が25億マカオパタカ(約378億円)に達し、膨大な経営圧力と負債に直面しているため、競馬運営を終了すると発表しました。また、影響を受ける従業員には転職支援などを提供すると述べました。

報道によると、4月1日に競馬場の運営が停止された後、マカオジョッキークラブが飼育している289頭の馬は、2025年3月31日までに他の場所へ移動されます。また、競馬場の土地はマカオ政府に返還される予定です。マカオジョッキークラブは、これらの「失業した競走馬」を中国大陸へ輸送し、馬術産業に引き続き投資する意向があると伝えられています。

マカオ競馬の歴史

現在のマカオジョッキークラブは1989年に設立されたが、実はマカオ競馬の歴史は17世紀にさかのぼることができます。当時、マカオはポルトガルの植民地であり、西洋のレジャー活動が導入され始めていました。

1930年代には、澳門賽馬車會(マカオホースレーシングクラブ)が設立され、競馬が正式な形で行われるようになりました。この時期から、マカオは本格的な競馬の地としての地位を確立し始めました。

20世紀を通じて、マカオ競馬は徐々に成長し、国際的なレースやイベントが開催されるようになりました。これはマカオの観光業の発展にも寄与しました。

1989年、澳門賽馬車會(マカオホースレーシングクラブ)は澳門賽馬會(マカオジョッキークラブ)へと発展し、平地競馬が主要なイベントとなりました。

21世紀に入ると、マカオの競馬業界は幾つかの重要な変化を経験しました。特に、カジノ業界の急速な成長に伴い、競馬よりもカジノが主要な収益源となり、競馬の人気に影響を及ぼしました。2003年頃が競馬開催の最盛期で年間1200回の競走が施行されていましたが、2020年代までに大幅に衰退し、開催日は週に1日がほとんどで、1日の施行競争数は5回程度になっています。

2020年代に入ると、マカオの競馬業界は経済的な困難に直面しました。特に、澳門賽馬會は重大な財政的損失を経験し、2024年には競馬活動の終了を発表しました。

マカオ競馬は、日本人騎手ともゆかりがあり、94年に岡部幸雄騎手、23年に中野省吾騎手がマカオダービーを制覇しました。17年には武豊騎手、藤田菜七子騎手が「マカオ国際男女混合ジョッキーズチャレンジ」に騎乗したなど。

マカオ競馬の未来

マカオは、カジノの人気が圧倒的であり、そのほかのギャンブルは衰えています。

中国への復帰以前から香港で馬券を場外発売していましたが、2002年に香港政府が施行したギャンブル條例改正により、香港での域外事業者によるギャンブルサービス提供が禁止され、売り上げの60%が減少する大きな打撃を受けました。

なぜ売り上げに対する影響はそれほど大きいというと、マカオ競馬の集客対象地は主に香港と大陸であることからです。香港でも競馬が開催されているため、例えば場外発売でマカオの馬券も一緒に購入できるならとても便利ですが、現地でしか買えないと購入の意欲も減るでしょう。

一方、マカオジョッキークラブは大陸からの集客を目指していましたが、そもそも大陸では競馬の文化が流行っていないです。大陸ではギャンブル禁止されており、2024年現在でも競馬場は2つしかない状態です。商業競馬については、勝ち馬当ての的中者に抽選で賞品を提供するくらいです。競馬への関心度、認知度が非常に低いため、旅行会社もマカオ競馬ツアーのプランを提供しません。

香港の競馬ファンは地元の馬券を購入。大陸の観光客はカジノやショッピングモールに足を運ぶが、競馬場にはなかなか行かない。「誰かがマカオ競馬を引き継いでほしい」という声がありますが、そういった状況の改善の見込みのない現在、マカオ競馬の再開は難しいでしょう。

まとめ

実際、今年はマカオだけでなく、他の地域でも競馬場の閉鎖が予定されています。

例えば、シンガポールも100年の歴史を持つ競馬活動を2024年10月に終了することが決定しています。さらに、香港競馬も競馬ファンの高齢化などの課題を抱えており、競馬業界全体が変化の時期を迎えていることがわかります。

このような状況の中で、日本競馬がこれからも続いていくためには、若い世代への関心を高める取り組みや、競馬文化を守り続けるための戦略が必要となるでしょう。

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